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2024-12-13

記載の標準化

はじめに

電子カルテは広く捉えると、医師、看護師、コメディカルなど様々な部門のスタッフが記録するデータベースとなります。紙カルテのころは、診療録、看護記録、リハビリ記録といったように部門ごとに決められた用紙・フォーマットに手書きで書かれた情報をカルテファイルにまとめ、そこから情報共有を図ってきました。これが電子カルテになると、看護部門システム、リハ部門システムなど部門システムが連携し、相互に閲覧できるようにすることで部門間の情報連携が図れるようになります。

紙カルテより電子カルテの方が作業時間が長い理由

中小規模の病院において、人数が多い部門は看護部門とリハビリテーション部門です。他部門のスタッフに比べて、圧倒的に多いこの二つの部門をどのようにうまくデジタル化に導くかが重要になるのです。

電子カルテの導入した効果として、「紙よりも部門間の情報共有がしやすくなった」、「紙よりもカルテ記載など事務作業の時間が短縮した」、この2つが達成できなければ、成功したとは言えません。前者は比較的達成はしやすいと思いますが、後者は「事務作業時間が増えた」という声が多いように感じます。

なぜ、紙カルテより電子カルテは事務作業が増えてしまうのでしょうか。この理由は、「端末不足」「紙の併用」「スタッフごとにスピードが違う」という問題にあります。

端末が足りない

企業であれば一人一台のパソコンは当たり前の時代に、医療機関ではパソコンを共有することがあり、端末が空くまで待たなくてはなりません。端末の台数ごとに値段が決定する様な価格構造に問題があるためです。

紙を併用しているため打ち直しが発生している

電子カルテを導入しても紙を併用している例は少なくありません。移動のためのモバイル端末の操作が進むと考えられます。

スタッフごとに記録スピードが違う

記録スピードは「パソコンのリテラシー」と「情報を文字に変換する能力」に影響されます。電子カルテ導入前にパソコン教室を開くなどの改善のためのテストも提案されます。

記録の標準化でスピードアップ

情報を文字にする作業は正規化されると大きく変化されます。システムベンダーの設定を提供することが提案されます。

記録委員会がすること

記録委員会の設立が電子カルテ導入後に大きな差を生むと言えます。具体的には、記録フォーマット、項目ごとの記載ルール、よく使用する用語の整理を進めることが重要です。