電子カルテと検査部門・放射線部門システム

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2019.6.10

豆知識

医次元編集部

医次元編集部

はじめに

病院のIT化を考える際に、規模の大小を問わず、検査・放射線部門のシステム化は大変重要です。それぞれの検査装置(モダリティ)ごとに、「どのように検査装置にオーダー」し、「どのように検査結果を返すか」を考えなくてはなりません。これはモダリティとどのように接続するかを考えることになります。モダリティによって、接続するインターフェイスが異なり、また出力されるデータも、数値データや画像データがあり、特に画像データはDICOMで出力できるものと、DICOMで出力できないものがあり、注意が必要です。

その際、電子カルテやオーダーリング、医事会計システムと検査・画像を管理するシステムと「どのように連携するか」も含めて考える必要があります。

診療報酬においては、血液検査や生化学検査、生体検査は「検査」に区分され、レントゲン(一般撮影)、CT、MRIなどは「画像診断」に区分されています。一般的な病院は、この区分に沿って検査部門と放射線部門に分けてIT化を検討します。

DICOMとHL7

 DICOMはDigital Imaging and Communications in Medicineの頭文字で、CRやCT、MRI、内視鏡・超音波などの検査画像機器と医用画像システム、医療情報システムなどの間でデジタル画像データや関連する診療データを通信したり、保存したりする方法を定めた国際標準規格です。この規格ができ、標準化が進んだことで、検査画像データのやり取りがしやすくなりました。最近では多くの検査画像機器がDICOMでやり取りできる仕組みを搭載されてきましたが、古いシステムではその仕組みを保有しないものがありますので、その際にはDICOMゲートウェイと呼ばれる変換装置(JPEGなどの画像データに患者情報や撮影日などの情報を付加する仕組み)が必要となります。

 DICOMが画像データの標準規格である一方で、文字や数値データはHL7(Health Level 7)と呼ばれる標準規格が存在します。検査や画像については、このDICOMやHL7といった標準規格が存在することで、検査画像機器とシステム間の連携、システム同士の連携がスムーズに行えるようになりました。厚労省もこれらの標準規格に則りシステム開発・連携を行うことを推奨しています。

検査部門システム

検査部門では、日々様々な検査が行われています。具体的な検査には、血液、生化学、血清、一般、細菌、病理、生理などがあり、それらの検査部門で行われる検査ごとにデータを管理する機能と、検査室の依頼(オーダー)・検査結果データを一元管理する機能を保有するシステムを構築する必要があります。これらの検査は、病院内で行えるもの、外注検査センターに依頼するものがあり、この両方を管理する必要があります。

また、検査を受け付けるためには、電子カルテやオーダーリングとの連携、患者情報を取り込むための医事システムとの連携が必要となります。さらには、検体の取り間違いの防止のために、バーコードラベルを発行する機能があります。

 一方、生体検査としては、心電図(ECG)、超音波(エコー)、血液ガス、内視鏡(ファイバー)などがあり、それらの検査機器から出力されるデータ管理する機能と、検査室の依頼・検査結果データを一元管理する機能が必要となります。

このように検査部門では、①検査機器との接続②電子カルテや医事会計との情報連携③検査結果の取り込み・閲覧④レポート作成⑤バーコードラベルの発行などを、どのように総合的にシステム設計を行うかが重要なポイントになります。

放射線部門システム

放射線部門では、一般撮影やマンモグラフィ、CT、MRIなど、放射線部門で行われる撮影ごとにデータを管理する機能と、放射線科の依頼(オーダー)・画像データを一元管理する機能を保有するシステムを構築する必要があります。

画像を閲覧するシステムは、一般的にPACS(Picture Archiving and Communication Systems)と呼ばれ、画像撮影装置(モダリティ)で撮影した画像データを受信、保管・管理する機能を保有します。

 一方、放射線部門の情報管理には、RIS(Radiology Information System)と呼ばれる情報システムが必要です。RISはオーダーの予約管理や、画像撮影装置の連携、電子カルテや他の部門システムとの連携などを担っています。

 近年、このPACSとRISは統合が進んでおり、統合型の医用画像ファイリングシステムが存在します。また、放射線部門で日々作成される報告書(レポート)を作成、管理する機能も備わっています。メーカーによって、PACSの中に含まれていたり、PACSとRISが分かれていたりと、一見複雑に感じますので、それぞれのシステムがどこまで範囲をカバーしているかを確認する必要があります。

時系列での結果表示

医師は検査や画像などの情報を一元的に閲覧したいというニーズがあり、それに答えた形として、検査部門と放射線部門の部門データを統合的に管理できるシステムが開発されています。2つの部門システムの情報を統合化するメリットは、患者ごとに、検査・画像情報が一画面上で参照可能な点です。時系列で全てのデータを表示することにより、各部門検査の相対関係も把握でき、過去データも時系列で閲覧できるため、医師による指示やレポートの作成をスムーズに行うことが可能です。また、検査部門・放射線部門の状況が一目で分かるので、院内全体の状況がリアルタイムに判断できます。

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